入会特典が重なったときや、1枚の審査に落ちた直後には、別のカードにも申し込みたくなるものです。ただ、「2枚なら大丈夫」「3枚からアウト」といった線引きだけでは判断できません。申し込みが信用情報にどう残り、すでに何件か申し込んでいる場合に何を確認すればよいのかを整理します。
この記事の目次
何枚から多重申し込み?共通の合否ラインは分からない
多重申し込みとは、短い期間に複数のカードへ申し込むことを指して使われる言葉です。すでに何枚かのカードを持っていることとは区別します。
カード会社は独自の基準で審査します。この記事で確認した公式情報には、全社共通で「月に何枚までは通る」と保証する基準はありません。枚数だけで審査結果を予測することはできません。
三井住友カードは、同時期に複数社へ申し込むと審査に通らなくなる可能性があると案内しています。一方、JICCは、照会記録が審査にどの程度影響するかは分からないとしています。影響があり得ることと、一定枚数で必ず否決されることは別です。
「申し込みブラック」というリストがあるわけではない
「申し込みブラック」は、申し込みが重なって審査への影響を心配する場面で使われる俗称です。CICは、ブラックリストという名称のリストは持っておらず、契約や支払いなどの事実を信用情報として扱うと説明しています。
実際に確認するのは、申込情報の照会日、会社名、商品などです。「ブラックかどうか」という一言に置き換えると、何の記録を、いつまで確認すればよいかが分かりにくくなります。
申込情報はいつまで残る?CIC・JICCは照会日から6か月
表は横にスクロールできます。
| 機関 | 記録・期間 |
|---|---|
| CIC | 申込情報は、カード会社などが照会した日から6か月間。 |
| JICC | 申し込みに関する情報は、照会日から6か月以内。 |
| 全国銀行個人信用情報センター | 照会記録は、利用日から本人開示の対象が1年を超えない期間、会員への提供が6か月を超えない期間。 |
CIC・JICCでの起点は、審査結果の通知を受けた日やカードが届いた日ではなく、照会日です。複数の申し込みがある場合は、それぞれの照会日を確認します。
出典:CIC:保有する信用情報と期間/JICC:信用情報の内容と登録期間/全国銀行個人信用情報センターのご案内(登録期間)
「最後の申込結果から半年」と覚えているだけでは、実際の登録期間とずれることがあります。過去の受付メールを並べるだけでなく、必要に応じて本人開示の記録と照合してください。
6か月待てば、次の審査に通る?
6か月は申込情報の保有期間を説明する数字です。次の審査を通過するための保証期間ではありません。申込情報がなくなっても、契約や支払いの情報には別の保有期間があります。
また、カード会社の審査は信用情報だけで決まるものではありません。年齢などの申込資格、入力した内容、現在の収入や取引状況を含め、会社が判断します。「半年たったから条件を見直さずに再申込する」という使い方は避けたいところです。
出典:CIC:保有する信用情報と期間/CIC:クレジット・ガイダンスと審査
特典や用途を比べる段階では、申し込みまで進む必要はありません。申し込むカードを選んでから、必要な資格や手続きを確認しましょう。2枚のカードの使い分けも、役割が重なっていないかを考える参考になります。
すでに何件か申し込んだ場合に、確認する順番
表は横にスクロールできます。
| 確認するもの | 書き留める内容 |
|---|---|
| 受付メール・申込履歴 | 申し込んだ会社、カード名、受付日、受付番号。比較しただけの商品と分ける。 |
| 審査の進み具合 | 審査中、追加書類待ち、結果通知済みのどれか。メールや申込先の案内を確認する。 |
| 入力した内容 | 住所・勤務先などの誤入力がないか。修正は申込先が指定する窓口で行う。 |
| 信用情報の申込記録 | 照会日と会社名。すべての照会を新規申し込みと数えていないかも確認する。 |
| 本当に必要な機能 | 使う店、引落口座、年会費、ETCなど。必要な候補まで絞る。 |
同じ会社から返答がないからといって、入力し直してもう一度送信すると、状況を追いにくくなります。受付番号があるなら、先に申込状況や書類の不足を確認してください。取り消したい場合も、会社ごとの手続きに従います。
すでに申し込んだ事実そのものを悔やむより、何件が審査中なのかを把握し、理由のない追加申し込みを止めるほうが整理しやすくなります。
照会記録が多い=カードを何枚も申し込んだ、とは限らない
CICには、新規申し込みの際の「申込情報」と、利用中の審査などで会社が確認する「利用記録」があります。この二つを合算して、新規申込件数と考えないようにします。
JICCも、契約がすでにある場合、管理のために同じ会社が複数回照会することがあると説明しています。さらに、会員照会記録のうち加盟会員に回答されるのは「契約時」の情報で、「契約後」は回答されないという案内です。
出典:CIC:保有する信用情報と期間/JICC:同じ会社による複数回の照会/JICC:照会記録の審査への影響
見覚えのない記録があるときは、会社名と照会目的を確認します。記録が多いというだけで、身に覚えのない新規申し込みが大量に行われた、と結論づけるのは早計です。
申込取消や否決で、記録はどうなる?
申し込みを取り消せば、申込情報もすぐ消えますか?
申込情報は、会社が支払能力などを確認するために照会した事実の記録です。すでに照会が行われている場合、取り消したことだけで記録も即日削除されるとは考えないようにします。CICは、事実として登録された情報は訂正・削除できないと説明しています。
出典:CIC:保有する信用情報と期間/CIC:登録情報の訂正・削除
審査に落ちた理由も、他社に伝わりますか?
CICが示す申込情報の項目は、照会日、商品、契約予定額、照会会社名などです。否決理由を通知する欄ではありません。CIC自身も、カード会社が断った理由は分からないとしています。ただし、理由が載らないことと、申込記録が残らないことは違います。
自分で信用情報を開示するのも、カード申し込みに数えられますか?
本人開示は自分の記録を確認する手続きです。CICの申込情報は、新しい契約の審査のために加盟会社が照会した事実を指しており、本人による開示とは別です。
出典:CIC:情報開示
同じ会社で2枚持つ場合は、組み合わせの条件も確認する
短期間に申し込むかどうかとは別に、同じ会社の商品を同時に持てるかにも条件があります。JCBでは、原則としてJCBオリジナルシリーズの個人カード同士を同時に保有できないという案内があり、カードSとカードWの組み合わせも例示されています。
この場合、「申し込みの間隔を空ければ2枚持てる」という問題ではありません。新規申込なのか切り替えなのか、すでに持っているカードとの組み合わせが可能なのかを先に確認します。
任意整理や自己破産後の申し込みであれば、6か月の申込情報以外に確認する記録があります。任意整理後のカード、自己破産後のカードの記事で、契約や返済の登録期間を整理しています。